4代目竹中徳久のプロフィール
畳を嫌いになってほしくないですね
畳全体の需要を減らしたくない
時代の流れなんですが、”日本人の畳離れ”と言われるようになって久しいですが、僕は畳を嫌いになってほしくないですね。
当社でやっている、畳の1年間保証も、畳離れを少しでも減らし、畳人口を増やしたいと思っているからなんです。ですから、有料にはなりますが、他店の畳の補修も受けています。
次の畳の仕事を当社に依頼しなくてもいいから「畳は面倒なもの」と、お客様が畳を嫌いになることを止めたいんです。
僕自身、畳が大好きなんです
畳の良さは、畳の匂いと、寝転がった時にほほに当たる肌ざわりです。
これが僕は、特に好きですね。
ベッド派の人は仕方ないですが、ぜひ畳の上に布団を敷いて寝てもらいたいですね。
大学卒業後すぐにこの仕事に就きました
畳の仕事は大学卒業後、すぐに宿毛に帰って、親の後を継ぐことになりました。
父親は畳製作業の他にも事業していまして、そちらのほうが忙しくなってしまい、僕が竹中畳製作所を引き継ぐことになりました。
畳の製作に対しては不安はなかったです。
中学校、高校、大学と長期の休みは畳の仕事を手伝っていましたので、畳製作に必要な知識や経験はすでにありました。
ですが、営業は少し苦手でした。
また、畳屋は職人なんで、営業なんか出来なくてもいいんじゃないかとさえ思っていました。
畳職人の先輩でもある父親からも「仕事はとにかく早さが一番」と教えられていたので、愛想を使わず、早い仕事が一番いいと思っていました。
僕の奥さんの言葉に「ビビッ」ときました(笑)
お客様の家に仕事に行っても、笑顔や会話よりも、とにかく早い仕事することだけを考えていました。
当時は、結婚したばかりの僕の奥さんと一緒に仕事をしていたのですが、現場で奥さんが仕事が遅いと「早くしろ!」と言ったりしていました。
(宿毛の言葉で言うと「とろとろするな!」です。)
そうこうしているうちに、奥さんから「そのあなたのピリピリした感じと、早くやれ、という感じは依頼主さんにも伝わるのでやめたほうがいいと思う。私だったら、畳屋さんにはゆっくり、堂々と丁寧に仕事をしてもらいたい」というようなことを言われるようになりました。
最初は「お前には畳屋のことはわからん」と聞く耳を持っていなかったのですが、この「ゆっくり、堂々と丁寧に」という言葉に、僕は深く感じるものがあったんです。
奥さんは結婚する前に美容関係の仕事をしていたので、接客に対しても僕の考えとは全く違う考えを持っていました。
奥さんの意見は、畳の世界で生きてきた僕にはとても新鮮でした。